動物・海の生き物
海に生息し、ずんぐりした胴体が豚(豚)に例えられたことから「海の豚」と書きます。
中国語の「海豚(hǎitún)」が日本に伝わった字。体型が豚に似ていることに由来するとされます。
海に棲む星形の生き物。体の形が星(☆)に似ていることから「海の星」と書きます。
中国語では「海星(hǎixīng)」。「ひとで」という和名は、人の手(指を広げた形)に似ているからとも言われます。
海を漂う様子が月のように見えることから「海の月」と書きます。
水中をゆらゆらと漂う半透明の姿が月(水面に映る月)に例えられたとされます。「水母」とも書きます。
カラス(烏)が死んだふりをしたイカを食べに来たという中国の伝承に由来するとされますが、俗説の域を出ません。
中国語「烏賊(wūzéi)」がそのまま日本語に入った字。語源については諸説あり、確定していません。[1]
「翡」は雌(赤褐色の羽)、「翠」は雄(青みがかった羽)のカワセミを表す字です。
カワセミのオスとメスで羽の色が異なることから、二字で一種の鳥を表す珍しい用法です。宝石の「ひすい」も同じ字(翡翠)ですが、読みが異なります。
「蝸」は巻貝の形をかたどった字で、「牛」は牛の角に似た触覚を表します。
中国語「蝸牛(wōniú)」が由来。「まいまい」「でんでんむし」など地域によって呼び名が異なります。
「足が百本ある生き物」という意味で書きますが、実際に百本あるわけではありません。
中国語「百足(bǎizú)」に由来。種類によって足の数は異なりますが、「非常に足が多い」ことを誇張した表現です。
植物・果物
「向日」は太陽に向かうという意味で、「葵」はアオイ科の植物。ヒマワリは花がつく前に太陽の方向を向く性質があります。
「太陽に向かうアオイに似た花」という意味の字です。ただし開花後は花の向きは固定されます(太陽を追うのは成長段階)。[3]
「花がないように見える果実」という意味の字です。実際には花が果実の内側に咲いているため外から見えません。
中国語「無花果(múhuāguǒ)」が日本語の発音「いちじく」に当てられたものです。「いちじく」の語源はペルシャ語起源のアラビア語「injīr」がポルトガル語「figo」を経て伝わったとも、古語「一熟(いちじゅく)」に由来するとも言われています。[4]
中国語「石榴(shíliú)」をそのまま日本語読みした字です。
原産地はイラン周辺で、中国には「安息国(現イラン)」から伝わったとされます。「ざくろ」という読みは日本語独自の音です。
中国語「蒲公英(púgōngyīng)」をそのまま当てた字です。なぜ「たんぽぽ」と読むかについては諸説あります。
「たんぽぽ」という和名の語源は不明な点が多く、確定的な説はありません。「つづみぐさ」など地方名も多数あります。蒲公英の字は中国語から借用したものです。[1]
「猫にまたたび」でおなじみの植物。中国語「木天蓼(mùtiānliǎo)」が由来です。
猫がマタタビのにおいに反応して酔ったような行動をとるのは、マタタビラクトンという成分が原因とされています。「またたび」の語源は諸説ありますが、漢字は中国語からの借用です。
番外編:食べ物の難読漢字
心(こころ)太(ふとし)と書いてところてん。心太(こころぶと)という古語が転じた言葉です。
テングサ(天草)という海藻から作られる食品。古くは「こころぶと」と呼ばれていたものが変化し「ところてん」になったとされます。「心太突き」という専用の器具で押し出して作ります。
「しらこ」は魚の精巣(タラ・フグなど)、「しらす」は稚魚(イワシやカタクチイワシの稚魚)を指す場合があり、同じ字で読みが異なります。
どちらも「白い子(卵・稚魚)」という意味を持つ和語表現。文脈によって読み方が変わる珍しい例です。
「玉」は丸く輝く実、「蜀黍」は中国語でモロコシ(キビに似た穀物)を表します。「唐(外国)のモロコシ」という意味が転じた当て字です。
中国語「玉蜀黍(yùshǔshǔ)」由来。メキシコ・中米原産で、南蛮貿易を通じて16世紀頃に日本に伝わりました。「南蛮きび」とも呼ばれていました。
鳳(おおとり)の頭に梨の形——王様の鳥のような見た目の果実という意味の字です。
中国語「鳳梨(fènglí)」がそのまま使われた漢字表記。台湾では現在も「鳳梨」が一般的な表記です。「パイナップル」という名称はオランダ語や英語経由で日本に広まったカタカナ表記です。
「豌」は丸くて小さい豆を表す字で、中国語「豌豆(wāndòu)」から来ています。
「えんどう豆」として親しまれている豆類。さやえんどう・グリーンピース・スナップエンドウはすべてえんどう豆の一種です。原産は地中海沿岸から中央アジア地域とされ、西アジア経由で中国・日本に伝わりました。